恐怖の体験

2001/07/13 金曜日 掲載

 ★【恐怖の体験3】を追加〜。
 皆さん琵琶湖でも何処でも結構です。船に乗ったことはありますか?自分で漕いだり運転したことあります?

 船の上って不安定でチョット動いたり、風が吹いただけでも揺れたり・・・怖い思いをされたことがあるはず。今回はそんな中でも実際に琵琶湖に落ちてしまった人の体験をここには掲載してあります。

 その人の体験、そして感じたことを交え皆さんも次回からの釣行に役立てて下さい。

 

 

琵琶湖での恐怖(その1)「ゴムボート編」

a letter to 喜多さん

 あれは忘れもしない1995年4月1日月曜日、雨上がりの良い天気の日だった。

 息子が春休みのため、会社サボって南湖へ出撃。エンジン付きゴムボートで琵琶湖大 橋の西詰より出船。 前日に取り付けたフットコンが使いたくて使いたくて…。 木の浜沖で少し遊び、そのころ爆釣で話題になっていた「なぎさ漁港」へ。 なぎさ漁港の入り口は、大きな積み石で出来ておりその回りを鉄骨の骨組みが囲ってある。 漁港入り口近くでエンジンを切り、エレキを降ろして操船開始。

 事故は、その直後に起きた。 雨上がりの晴天は風が強のが当たり前。おまけにフットコンの操作は今日が始めて。 案の定、ボートは風にながされて鉄骨の角にグサリ! プシューと凄い音と共にエアーが抜けだし、見る見るうちにボートが小さくなってい く。 「このゴムボートは3室構成のため、1室のエアーが完全に抜けても支障なく航行で きる」とカタログに書いてあったのを思い出し、特に焦りはなかった。 が、この文句が命取りになろうとは…。

 息子は近くの岸にすぐに揚がることを勧めたが、私はこの文句を信じ何とか琵琶湖 大橋まで辿り着けないものかとエンジンをかけて走り出した。 暫くは走れた。が、エアーが完全に抜けるとボートが傾きだした。 悪いことに、バッテリーを船底にしっかり固定していなかったため、その傾きで滑り落ちて琵琶湖の沈み物に。 さらに悪いことに、バッテリーとエレキの配線を蝶ネジでしっかり固定してあっために、バッテリーがボートのアンカーとなって、そこで船は転覆した。 まるでスローモーションVTRを見るようにゆっくりと転覆し、私達親子は湖に投げ 出された。ロッドもタックルボックスも何もかも。 ただ、ここでの息子の根性に驚かされた。一番高いカルカッタのセットだけは、投げ出されてもしっかりと手に握っていたのである。

 水温10℃、かなり冷たい。必死でボートまで泳いで、息子だけは何とかボートに よじ登らせた。岸までは多分3〜400m位だったと記憶している。 ボートを押しながら泳いで行けば岸まで辿り着けると思い泳ぎ始めたが、バッテリー がアンカーとなってビクともしない。息子には危険と感じた時点でライフジャケットを着させたが、私は持っていなかったため着ることが出来ず、自力で泳ぎ着くことは 不可能だと判断した。 助けを呼ぶしかない。が、こうゆう場合の信号紅炎も転覆時に流されて行方不明。 「助けて〜」と叫べども、平日のためバザーはおらず、通り過ぎる漁船もエンジン音 で全く声は聞こえない有様。携帯電話もポケットに入れていたため、浸水して使い物 にならない。 息子を励ましつつ暫く漂流していると、堅田港の一文字沖に黄色いギャンブラーが止 まり、エレキを降ろした。

 一瞬静寂が戻ったその時、「助けて〜」と二人が同時に叫ぶと、そのバザーは私達に気がついてくれた。 その後、颯爽とバスボートが近づいて来るのを見て、「助かった!」と思った。

 リブレに連れて行ってもらい、シャワーや着替え迄貸して頂いたが、寒さと怖さで震 えが止まらなかったことを覚えている。あの時の皆さん、ありがとうございました。

 エアーが抜け始めた頃に岸に行くよう勧めた息子の意見を聞いておけば良かった、無理をしなければ良かったと、反省しきりでした。あれ以来、親父の権威が少し落ちてしまいましたが、次のような教訓を得ました。

  • 教訓1:ライジャケは必ず着よう!
  • 教訓2:無理をしてはいけない!
  • 教訓3:バッテリーとエレキのコードは鰐口グリップ程度の固定がベスト
  • 教訓4:ゴムボートは結構危険。
  • 教訓5:カタログは信じない。
  • 教訓6:携帯は防水シートに入れて身体から外しておく。

 以上です。くだらない話をここまで読んで頂きまして、ありがとうございました。そんな訳で、ゴムボートを売り、パンクをしないアルミV12を買いました。 が、この船でもドボンしてしまいました。

 その話は、琵琶湖での恐怖(その2)↓として次回にでも。おしまい。

琵琶湖での恐怖(その2)「アルミ編」

a letter to 喜多さん

 ゴムボートでバス釣りをするのは危険すぎるという結論に達した私は、修理したゴ ムボートを下取りに出してV12アルミボート(クイントレックスV12+15馬 力)を購入した。 二人の子持ちには痛い出費であったが、命には代えられない。

 ただ、死の恐怖を体験し、タックルの殆どを喪失したことからすれば、普通ならばそ のままバス釣りをやめてしまうところなのだが、幸か不幸か息子がしっかりと握って いたカルカッタの魔力と、バス釣りの面白さには勝てなかった。

 V12は快調に釣行を重ね、アルミの操船にもかなり慣れた6月のとある日。 私達親子は、今にも雨が降りそうな曇り空の下、南湖にある志那漁港を後にした。 ライフジャケットはその1事件以来、必ず装着していたが、その日最も救われたのはキルスイッチ・コード(操船者が船から投げ出されたりした場合に自動的にエンジンがストップするコード)を付けていたことである。

 志那漁港を出港し、琵琶湖へ出てエンジンを吹かした。 V12は気持ちよくプレーニングをし、一路下物の浚渫を目指した。が、その5秒後に二人はボートから振り落とされていた。ホント振り落とされたとう 表現がぴったり来る状況であった。

 チラーハンドルの操舵力を調整するレバーを多少緩めにしてあったのが原因である。 エンジンを吹かすとスクリューの回転力の反動でチラーハンドルが外へ(進行方向に 対して左側へ)回ろうとする。チラーハンドルが堅く締めてあればその反動力はあ まり感じないが逆に操船に力を要する。 今回は、この操舵力が軽すぎたために、波の衝撃でハンドルが外に流れ、その流れる ときにスロットルレバーが手首の回転でフル状態になり、ボートはスピンターンをす るようにかなりのスピードで急旋回したのである。  この急旋回で、まず、船首側の息子が見事に湖に吹っ飛んでいった。これもまたス ローVTRを見るように、見事にである。そして、その現象を見つつ宙に舞う自分を 意識しながら「今回はライジャケを付けているから大丈夫だ!」という安心感を持っ ていたことは不思議である。

 水に浸かって多分1秒後位に泡と一緒に浮き上がった私は、まず息子を探した。すると息子は私から5m程離れた地点に浮いていた(ライジャケのお陰である)。一安心しボートを探すとV12は息子と反対側の10m位先に何もなかったかのように浮いている。エンジンは停止し静かにである(これもキルスイッチ・コードのお陰である)。

 二人は一目散にボートに向かって泳ぎだし、まず息子を乗せ、次いで私が乗った。 落水した際にはトランサム側から乗るべきとの知識は持っていたため、トランサム側 から乗ったのであるが、息子は私が後ろから押したため容易であったが、私は80K g超の体重が災いしてなかなか乗れなかった事を記憶している。足が船底の裏側に吸 い付くようになるため、よじ登れないのである。  何とかよじ登った2人は、顔を見合わせ笑ってしまった。恐怖というより、そのド ジさ加減にである。が、何か息子の顔がはっきり見えない。そう、私は落水した際に眼鏡を吹っ飛ばしてしまい、南湖に新たな沈み物を作ってしまったのであった。タッ クル類は、その1事件の教訓からボートにしっかり固定してあったため吹き飛ばされず無事であった。

 この事件により、チラーハンドルの船は危険であると勝手に結論し、ステアリング ・ハンドルの船が欲しくなり、「安全のためだ!」と言って妻を説得し、現在のバスボートに至ったのでした。おしまい。

 以上が「アルミ編」です。この程度の事は皆さんも経験されていると思いますので、 期待されていた方、申し訳ありません。

 しかし、あのとき、キルスイッチ・コードを付けていなかったらと思うと本当に ゾッとします。ボートは暴走し他人を傷つけていたかもしれないし、落水した二人はまた漂流する羽目になっていたことでしょう…そんな意味で「恐怖」と題しました。  

本日の教訓

  • 教訓7:キルスイッチは必ず付けよう。
  • 教訓8:チラーハンドルの操舵力はこまめにチェックしよう。

★★喜多さんへの励ましメールはこちら

  【恐怖の体験3】もどうぞ〜。


 皆さん如何でした?今回喜多さんより提供いただきました。『恐怖の体験』如何でした?かく言う私も先日12月5日に琵琶湖で落水してきました。(水温12度サムイゾ!!)

 状況としては後輩から借りた船(いつものフィッシュ12)の上で、エンジンをかけるために前から後ろに移動する際に、ファイティングチェアーに体を預けながら(もたれながら)移動しようとしたら・・・

 何とファイティングチェアーのポールが真ん中のつなぎ目から抜けてしまったのです。そのままバランスを失い琵琶湖に向かって“ナイスイン”気づいたら船が目の前にありました。

 以外と冷静だったため船の後ろまで回ってトランサムの所から這い上がり事なきを得ましたが、ホントビックリです。

 このときの教訓としては船の上ではおとなしく。これですね。調子こいて動いていると落ちるぞ!!あとシートのポールは抜けない物がお勧めですね。


 釣りというのは自然の中でする物というのは認識していらっしゃると思いますが、自然を相手にすると言うことはイコール“死”と背中合わせと言うことをお忘れなく。

 ちょっとした気の緩みが、今年の夏起こったようなキャンプ中の事故のように死につながってしまいます。楽しく釣りをするためにも細心の注意を払って釣りして下さいね。

 NeverSummerでは皆さんからの「落水ネタ」「こんな危ない思いをした」と言う釣りなどに行った際の危険な思いをしたエピソードを募集中です。

 採用率もかなり高い(ほぼ100%)ですので是非投稿して下さい。

 琵琶湖で怖い思いをされたことがある皆さんへ


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