釣れない琵琶湖  1999/07/06木曜日 掲載

1999年世紀末を迎えた琵琶湖は例年に比べてバスがかなり釣れない状況が続いています。それはどうしてでしょう?ここでは釣れない原因と考えられることを簡単にまとめてみました。

人為的プレッシャー

 まず第一に考えられることはバスに与える人為的プレッシャーによる物です。

 空前のバス釣りブームの中、現在の琵琶湖では人気ポイントを中心にたくさんの釣り人が訪れています。特に有名な漁港などでは、雪の降る日や雨の日、風の吹く日も年中、朝から夜まで誰かが釣りをしているという状態です。これによってバスがルアーに対してスレるだけではなく、特に立ち替わり入れ替わりいろいろな人が攻めていく有名ポイントには「バスが寄りつかない」と言うことも起こっているようです。

 確かに私自身釣りをしていて有名ポイント(ストラクチャー)には必ずルアーが引っかかっていてその引っかかったルアーのラインに私自身のルアーが引っかかってしまうと言うことが頻繁に起こっています。
「こんな所にはとてもバスは寄りつかないのではないか」私はそう思います。

 そういったことを私自身良く感じるのが、ロッキーエリアです。湖北で言えば海津、つづらお崎と言ったところです。つまり良くルアーを引っかけるところなのです。釣れてもバスが良くサスペンドしていてルアーが底を取っていてはあまり釣れません。代わりに相変わらず比較的釣れるところがウィードエリア。あまりルアーの引っかからないところです。ウィードエリアではきっちりウィードに引っかけていた方が釣れるのです。

 又、以前雑誌で読んだのですがバスは過度のプレッシャーによってルアーを頻繁に追わなくなるだけではなく、餌自体も取らなくなると言うことが書かれていました。つまり過度のプレッシャーによってバスが餌をとらない→バスのコンディションが悪くなると言うことが起こりうると言うことです。ひどいときはプレッシャーでバスが死ぬと言うことなのです。
人間で言えばノイローゼと言ったところでしょうか?

 では、ここまでの話ではバスは琵琶湖にいる。しかしバスのルアーに対するスレ。バスの着き場所の違いだけで釣れない。と言うことになります。
しかし今年の琵琶湖は違う。明らかにバスがいない。それは何故か・・・。

バスが減った理由

 そうです。バスは実際減っています。80年代。それは琵琶湖の何処にでもバスがいる状況でした。
しかしそれはバスがその数年、数十年前に琵琶湖に移入され「バスが爆発的に増えた」そういった状況だったのです。つまりその時の琵琶湖の生態系はある意味少し狂っていたのです。肉食であるバスが餌となるバイトフィッシュの数に比べて多すぎた状態なのです。

 そこから琵琶湖の増えすぎたバスの個体数は、琵琶湖のベイトフィッシュの数に見合ったバスの個体数へと減少してきました。ある意味80年代等のバカ釣れの状況は今後あり得ない状況なのです。ふつうの状況(生態系のバランスがとれている)に比べてバスの個体数が多すぎた状況なのです。

 しかしこのことは以前から分かっていたことで雑誌等でもいろいろな著名人が指摘していたことです。ただどうも今年のバスの個体数の急激な減少は極端なのです。それは何故か・・・ 今年から盛んに行われているある事。

バスの乱獲

 1999年から滋賀県では多額のお金を投じて琵琶湖に生息する外来種撲滅の5ヶ年計画がスタートしました。この5ヶ年計画の対象となる外来種とは?それはブラックバス。ブルーギル。オオカナダ藻の3種類なのです。そうなんですバスを捕獲しているのです。

 しかし今までもいろいろな所で漁師さん達がバスを捕獲して、捕獲したバスを学校給食に出したり、動物園に売ったりしてきました。しかし今回からは県が買い取るのです。今までならバスを獲っても売れなかったのですが売れるので漁師さんは以前に増してバスを捕獲し始めたとのことです。

 又、捕獲の仕方も以前と違いどこかの大学のバスに詳しい教授の指導の元で漁師さん達がバスを捕獲しているようです。たとえば魚礁の上を底引き網をかけたり、スポーニングでシャローに上がってくるバスのルートに刺し網を入れておいたり等、バスの居場所に的確に網を入れていっているのです。

 それだけでなくここにきて関東のいくつかの漁協がバスの漁種認定に動いていてその為にバスを買いあさっているとの情報も流れています。その為生きたバスというのは、滋賀県に売るバスと違い高値が付くようです。特に大きい物ほどバスの値段は高く、相当大きい物(60cmクラス)はキロいくらではなく1匹ずつ個別に高値が付くそうです。

 実際この漁師さんの捕獲がかなり進んでいることは間違いないようで、最近では漁師さん達の間でもバスの漁獲高が落ちています。バスが減っているのです。今年の4月頃では生きたバスの値段がkg¥400−と言う話が、現在ではkg¥1,000−まで高騰しているそうです。

バスの乱獲を止めることは出来ないのか?

 結局漁師さん達がバスを獲るのはお金になるからなのです。現在の琵琶湖ではすじエビの不漁が続いています。又、湖産アユはと言うと毎年、年間漁獲料というのは各漁協ごと決まっていてその量以上は獲ることが出来なくなっていますが、実際どれだけ漁獲高があるのかは申告制のため定かではないそうです。
又、湖産アユの買い取り先である全国の各河川では、湖産アユの放流に対して反対意見も出てきているようです。それは、湖産アユの放流によって水温等の関係で湖産アユに病気が発生して他の天然、養殖アユに伝染してしまうと言う事態が各河川で起こっているようなのです。

 要するに漁師さん達は売るものがないのです。そこで上がってきたのがバスなのです。先程の話のようにkg¥400−、¥1,000−と言う値段はハッキリ言って多の魚に比べるとかなり高い値段なのです。

 では、買い取り元である滋賀県や某漁協に買い取りを止めてもらうしかないのですが、滋賀県は琵琶湖の世界会議に向けて今まで行ってきた琵琶湖の自然破壊(アシ原を無くしてしまう護岸工事、水質悪化につながる浚渫)の報いに、外来種であるバス、ブルーギル、オオカナダ藻の捕獲(刈り取り)をする事で、「我々は琵琶湖のためにこれだけの事をしている」と世界にアピールしようとしているのです。

 又、某漁協の買い取りに関しては生きたバスの買い取りというのは基本的に認められていないようで、内密に行っているようです。その為滋賀県等お役所ははもちろん知るはずも無いのです。又、買い取りをしている各漁協も魚種認定前と言うことで、バスの買い取りを認めるはずもなくこれをくい止めるのはかなりの難しい話になりそうです。


 ここまで話題も少しそれながら、琵琶湖の釣れない原因について掲示しました。文書がまとまって折らず大変読みにくい文書で申し訳ないです。今まで釣れない釣れないと考えていた方。あなたの腕が悪いのではなくバスが少なくなったのです。
 特に、ルアーフィッシングの場合ある程度の個体数がその場所にいないと釣りにくいです。このバス減少の影響をもろに受けやすいのです。

 僕など大変琵琶湖が好きです。特に大浦などあの美しい景色と言い大変すばらしいです。もちろんバスも大変良く引きますしすばらしいフィールドですが、こういった現状の中琵琶湖での釣りにこだわる必要はないのかもしれませんね。僕自身ここのところは琵琶湖ばかりで釣りをしてきましたが、最近ジョンボートも購入してちょっと違うところにも行こうと思っています。

 ただ、このまま琵琶湖のバスが減少していくのを指をくわえてみているわけにも行きません。私は「琵琶湖を守る会」で何とかこういったバス減少をくい止める活動が出来ないかと考えています。

 皆さんも何か良い意見がありましたら教えて下さい。又、僕たちが活動を起こしたときに協力してくれると大変嬉しいです。

 

 みなさんのご意見があれば掲示板にご記入いただくか私にメール下さい。みなさんの意見としてページにアップさせて頂きます。

 

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